(1) |
消費者行政を担当する人員体制と予算措置が不十分です。 |
消費者行政を担当している職員体制は、専任職員が配置されているのが13自治体(前年に比べ▲2)になっています。10年前と比べると8自治体の減、5年前と比べると11自治体の減少になっています。(中略)財政面では、消費者行政関連予算が増加した自治体は32自治体(前年比+4自治体)で、70市町村の前年比は104.1%となり、増加額は、1,129万円ですが、69市町村の額は前年を下回っています。(中略)また、一人当たりの消費者行政予算は、39.8円/人です(50円/人を超えているのは10自治体)。(中略)消費者行政予算が減少している中、一定の基準は確保してほしいものです。 |
(2) |
多くの市町村に消費生活センターの設置が待たれます。
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平成16年調査をピークに架空・不当請求が減少し相談件数も減少していますが、手口は巧妙・悪質化しており、件数は高い水準で推移。相談内容では「あっせん」が増加(前年比+0.6%)。しかし、週4日以上の相談日を設定しているのは24自治体(多くは相談員1人)で、週5日以上の相談日開設は19自治体(27%、40市の半数)。相談員の体制では、56の市町村で「0人又は1人」です。常時複数の相談員体制が組めているところは、8自治体です。70市町村の半数以上で、週5日以上の相談日(複数の相談員がいて)を持つ消費生活センターの設置が望まれます。(略) |
(3) |
消費者団体の育成・強化のため指導援助が求められます。 |
消費者団体への補助金は、43市町村(前年比▲3団体、▲328千円)で実施はされていますが、毎年減少を続けています。また12市では、「補助金制度がない」又は「補助金が0円」です。埼玉県消団連調査では、過去5〜6年で補助金が25%前後削減され、消費者行政担当部署の専任職員が減少しています。(中略)消費者行政担当部署からの消費者団体への支援の第1位は「事務局としての支援」です。消費者行政担当部署からの関わりを深め、さらに担当部署からの継続した指導・援助を求めます。 |
(4) |
啓発・情報提供の必要性がより一層増しています。 |
広報誌を活用し報提供している自治体は58自治体です。パンフレット等の活用も49自治体と前年に比べ増加(+4)。消費者教育講座の実施も50自治体と前年に比べ増加しています(+4)。今後もさらに多くの取り組みを期待するところです。 |
(5) |
地方消費者行政担当部局と消費者団体の連携のための仕組みと消費生活条例の検討を。 |
消費者被害の未然・拡大防止に向けて、福祉関係34自治体(前年25自治体)、警察関係17自治体(10)、介護関係16自治体(14)、など43自治体では97庁内関係部署等と連携をとっています(前年に比べ31増加)。消費者被害の救済に向けての努力を評価するとともに、他の27自治体での努力を熱望するところです。(中略)そのための、消費者団体と連携した啓発活動は非常に効果的です。(中略)把握しにくい消費者被害を掘り起こしていくという点からも、消費者団体と連携を、さらにすすめ、地方消費者行政には消費者団体との常設の委員会の設置、市町村の消費生活条例設置の検討も希望します。 |