2013年10月〜12月に実施した「2013年度消費者被害アンケート・めやすばこ≪携帯・スマホ契約・解約トラブル編≫」は、埼玉県内で約1500枚のアンケートを回収しました。その結果、契約内容や契約時の説明、不要なオプションサービスに関する意見が多く寄せられました。
また、2014年6月30日に総務省「ICTサービス安心・安全研究会」の下に設置された「消費者保護ルールの見直し・充実に関するWG」が発表した中間取りまとめ(案)においても同様な意見が示されています。そこで、下記の点について改善を要望する文書を2014年7月30日、大手携帯電話事業者3社に対し送付しました。
※埼玉消費者被害をなくす会 活動委員会は、公募により参加した消費者約30名で構成されており、消費者契約法第12条に基づく差止関係業務とは別に、一般消費者が適切な商品・サービスの選択を行えるよう、アンケート調査で消費者被害情報の収集・分析を行い、事業者に対し改善を求める活動を行っています。
〔アンケート結果〕
契約時の説明が理解できたかとの問いに対し、特に50歳代より上の世代では理解できなかったとの回答が、理解できたとの回答を上回りました。また、各世代ともに契約時の料金の説明などについてわかりにくいとの回答が4割を超えています。
契約の際に加入を勧められるオプションについては、解約しても良いオプションが何かわかりにくいとの回答が約32%、なぜ有料オプションに加入しなければいけないのか説明してほしいとの回答が23%で、すべての世代に共通の傾向がみられました。
2年間の契約については、2年契約終了時期をメールで知らせてほしいとの回答が35%あり、クーリング・オフできない事を知らなかったとの回答も20%ありました。
〔改善要望〕
1.契約内容の簡素化を図ってください。
○○割、○○プラン等の、内容が一見して分からない料金プランが多く、そのことが契約内容を複雑化していると考えられます。また、契約時の説明が多岐に及び、結果、消費者が理解しにくいものになっています。契約内容を簡素化するなど消費者に分かり易いものに改善してください。
2.2年縛り契約の解約時の注意点、リスクについての説明を強化してください。
2年経過後も契約は自動更新され、中途解約した場合、違約金が発生することを契約時に説明してください。また、解約のタイミングをメールや書面等で通知するなど、消費者が確実に認知できるよう改善してください。
3.クーリング・オフについての説明を強化してください。
上記2と併せて、携帯の契約はクーリング・オフが適用できないことの説明を義務付けてください。
4.本体価格の分割払いは割賦販売法に基づく扱いとなることを説明してください。
実質0円とは、本体価格を2年間の分割払いにし月々の通信料の割引きで相殺するという、一見得だと誤解させる割賦販売方法です。契約時に、支払いが遅れた場合のリスクを説明してください。
5.オプションサービスについての説明を強化してください。
契約時に付加されたオプションサービスについて、無料期間の説明、解約の仕方を説明した書面を交付してください。また解約のタイミングの通知をしてください。
〔お問合せ〕
現代社会において携帯電話は生活の一部になっていることから、貴社の社会的責任・影響は大きいと言えます。総務省では「消費者保護ルールの見直し・充実に関するWG中間取りまとめ(案)」」を経て、ガイドラインの改定や法改正等を進めるとのことですが、法の整備を待たず、貴社の自主的な改善を期待します。
つきましては上記1〜5の項目それぞれについて、貴社での改善の取り組くみについてご回答ください。
以上
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