2014年8月27日 (10時〜12時)、浦和コミュニティセンター第13集会室において、株式会社第一生命経済研究所 主任研究員の小谷みどりさんを講師に、消費者力アップ学習会を開催しました。当日は84人が参加しました。
【学習会概要】
|
▲講演する小谷さん |
葬儀はめったにない経験の上、短い間に判断しなければいけないことが多くあります。どんな葬式がしたいのか、何にどのくらい費用がかかるのかなど、日頃からしっかり考えておくことが大切です。参加者からは、「家族と話をして自分にあった葬儀を考えたい」「今から考えておかないといけないと思った」「知らないことがたくさんあった」などの感想が寄せられました。
【学習会の内容】
=今から考えておくこと=
どんなお葬式にするか⇒『どこで』『どんな』『誰に知らせるか』『費用はどれくらいか』
遺体を病院からどこへどうやって運ぶのか⇒現在では85%の方が病院で亡くなっているが、運ぶ際にトラブルの第一歩が始まる。病院出入りの葬儀社に頼むことが一般的だが、高い棺を売りつけられたり、葬祭場を使うことが前提と言われることもあり、葬儀社を選べないことも。また、自宅に安置できない場合、遺体を預かるビジネスも登場している。
お葬式にかかる費用は⇒祭壇や霊柩車などの葬儀施行費用、戒名や読経にかかる費用、通夜ぶるまいや返礼品などの費用に分けられる。葬儀施行に絶対に必要なものは棺と火葬、火葬場までの搬送だけで、それ以外はオプション=見栄であり、見栄や世間体とどう折り合いをつけるかということが大事。お葬式は会葬者が少ない、家族葬が増えるなど、10年前とは全く違っており変化している。また、“平均費用”“他社より安い”“会員になると 安い”などのうたい文句があるが、内容は千差万別で比較できないものであり、根拠がないため惑わされてはいけない。家族葬は、お香典がない分自費負担なので、要注意。お香典を受けとらないお葬式も同様。
=なぜ葬儀でトラブルになるのか=
★遺族が葬儀社に「すべてお任せ」にするから。詳細な見積もりを取ること、その見積もり以外にかかる費用はないかを確認することが大切。追加費用がかさむトラブルも多い。
互助会のトラブル:積立額だけでは足らず追加費用がかなりかかった、親が加入していることを葬儀後に知ったなど。
お布施のトラブル:お布施とは菩提寺の運営を共同で支える者の務めとして支払うもので、読経や戒名の対価ではないことを理解することが必要。
=お墓(祭祀財産)のこと=
お墓を買うとは、墓石を建てるための墓所を使用する権利を取得すること。「永代使用」とは“永遠”ではなく継承する人がいる限り使用できるということ。「永代供養」とは、お寺が供養=お寺がある限りという意味。
お墓は、年間管理料の支払いが滞ると、お墓の前に最終通告の立て札を立ててから1年間権利者が申し出なかった場合には更地にされ、無縁墳墓となる。
お寺からお墓を移す際の離檀料:そもそも支払わなくてはいけないものではない。トラブルを避けるためには宗派の本山に相談する、先にお布施をお渡しするのが効果的。
|
▲会場の様子 |
【主なQ&Aより】
Q 墓じまい(※)をした後、お骨を自宅の庭に埋めてもおいても良いのか?
A それは「墓地、埋葬等に関する法律」により違法となります。「埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない。」となっています。 ※墓を撤去したり処分したりすること。
<問合わせ先>
埼玉消費者被害をなくす会 事務局 電話:048−844−8972
|