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▲講師の細川先生 |
2015年8月28日(金)、浦和コミュニティセンター第13集会室にて 細川幸一 氏(日本女子大学教授・立教大学兼任講師)を講師にお迎えして学習会を開催しました。当日は37人が参加しました。
【学習会の概要】
『「閉店しない閉店セール」から考える消費者の権利と責任』と題して、「権利を主張することの意味」「消費者の権利教育の重要性」「消費者市民という考え」「立教大学法学部ゼミでの試み」「消費者の責任を考える」「現代消費社会の特徴」についてお話いただきました。
- 権利を主張することの意味・・・個々の権利侵害は少額のため権利回復を放棄してしまうのが現状だが、個人の権利の束が公益であり、正当な権利の主張は社会の公益の実現に、ひいては被害の未然防止にもつながる。消費者被害の特徴は、少額多数被害。
- 消費者の権利教育の重要性・・・現代の若者はおとなしく、他人との接点が少ない。知識はあるか知恵がない(スマートフォンの影響が大きいのでは?)。
- 消費者市民という考え・・・社会に対して責任感を持った個人が消費行動を通して社会を変えることができる
- 立教大学法学部ゼミでの試み・・・居酒屋のお通しの実態調査、閉店しない閉店セール、価値のない下取り品で値引く下取り商法などについて調査。消費者の権利について考え、身近な問題を法的に考察し、法解釈や判例調査に加え、実態・意識調査を行ない、調査結果の公表により社会に問題提起することができた。
- 消費者の責任を考える・・・いのちを消費する者の責任(工業化されている畜産と、畜産の実態を知らない消費者)、消費と国際紛争(家電のレアメタルとコンゴ紛争)
- 現代消費社会の特徴・・・生産と消費の分離であり、いつ・どこで・だれが・どのように作ったかわからないモノを消費している。同時に、自らの消費行動が生産者に影響を与えている。他者(国・環境・動物なども含む)への共感から責任は自覚できる。自分で考え、行動することが大切。
【参加者のアンケートより・抜粋】
- 最終的には個人、各自が社会に大きく目を開き、知恵を働かせることにつきます
- 漫然と消費している、生活していることが多かったと気づかされました
- 消費者問題が、行き止まりのない、消費者に課せられた、自分で考え自分で行動する、そのものであると学びました
- 「いのちを消費する者の責任を考える」ことを学びました
- 企業にクレームというか指摘したことがある。クレームだったかなと思っていたが、正しい行動だったのかと納得しました
- 消費者教育の多様な視点があることも大変参考になり、気付かされました
- 消費者が安いものを求めるから、生産工程で経費削減に走るのでしょうか。安く売っているからそれを買うだけであり、適正な飼育・加工を行ない高く売ってくれればそれに従うのでは?とも思います
- 消費者の権利と責任から、行動を起こすというお話はたいへん良かった
▲会場の様子
<問合わせ先>
埼玉消費者被害をなくす会 事務局 電話:048−844−8972
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