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▲講師の鬼武一夫氏 |
2016年2月24日(水)、浦和コミュニティセンター第13集会室にて、鬼武一夫氏(日本生活協同組合連合会 安全政策推進部長)を講師にお迎えして学習会を開催しました。当日は57人が参加しました。
【学習会の概要】
これまで機能性の表示が認められていたのは、特定保健用食品(トクホ)と栄養機能食品のみでしたが、2015年4月1日より機能性表示食品の制度ができました。サプリメント形状、加工食品および生鮮食品などすべての食品が対象となっています。
トクホは国が審査し消費者庁長官が認可した食品、栄養機能食品はビタミン、ミネラル等の栄養成分を一定の基準量含んでいれば、届出なしに国が定めた表現によって機能性表示が可能な食品なのに対し、機能性表示食品は、事業者の責任において科学的根拠に基づいて機能性を表示できる食品です。事業者は販売前に安全性・機能性の情報等に関する資料を消費者庁長官へ届出するもので、消費者庁長官の認可を受けたものではありません。まず、これらの違いを把握することが必要です。
機能性表示食品は、健康の維持・増進の範囲内であれば体の特定部位(目・鼻・骨など)の表示、本人が自覚できる一時的な体調変化の改善の表示が可能で、生活習慣病等の疾病に罹患する前のヒトまたは境界線上のヒト(疾病に罹患しているヒト、未成年者、妊産婦および授乳婦への訴求はしない)が対象者です。機能性表示食品の表現の可能性として、「サポートする、役立つ、助ける」などがありますが、購入する 消費者は「効き目がある」と読み替えてしまうので注意が必要です。
機能性表示食品は消費者や専門家が届出された公開情報を確認し、問題点があれば指摘していくことが重要です。たとえば、脂肪燃焼という表示は機能性表示食品制度により可能となりましたが、「2ヵ月で−10キロ!」などの表示は「本当か?」と鵜呑みにしないこと。
□不老長寿の食品はない(薬も)□食べて痩せる食品は有害物 □天然・自然なものも、「安全」ではない □現在の日本のような食事ができている国では、ビタミン・ミネラルのサプリメント補給は健康にプラスの作用をもたらさない(食品安全委員会からのメッセージ)ことをわかった上で、選んでほしいと思います。
消費者へのメッセージ:「まずは表示をよく読む!、可能ならば届出時に情報開示された内容を読んで理解する、わからない場合は利用しない/選ばない、不調があったら医者や薬剤師に相談を」
【参加者のアンケートより・抜粋】
- TVコマーシャルの見方次第で受け取り方が変わるという所が目からうろこでした
- 広告や表示を冷静に読み解いて商品を選ぶようにします
- 消費者側としては「健康に良い」と言われると購入してみたくなりますが、表示に惑わされずに、裏面も良く見て購入したいと思いました
- バランスのとれた食生活が大切で、一部の物を集中して摂取することで健康を保つのは無理と再確認ができました
- 自分で判断するためには「知ること」「考えること」が大切なのかなと思います
▲会場の様子
<問い合わせ先>
埼玉消費者被害をなくす会 事務局 電話:048−844−8972
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