埼玉消費者被害をなくす会(以下、当会という)は、消費者全体の利益擁護のために差止請求権を適切に行使することができる消費者団体として、内閣総理大臣の認定を受け、消費者契約法に基づく差止請求関係業務をおこなっています。
本日、2017年1月25日午前、「株式会社NTTドコモ」(本社:東京都千代田区、以下、当該事業者という)に対する差止請求訴訟を東京地方裁判所民事部に提起しました。
訴状はこちら【PDF:343KB】
1.差止請求の内容
(1)当該事業者が消費者との間でXiサービス契約及びFOMAサービス契約を締結するにあたって、別紙契約条項目録記載の契約条項を含む契約の申込又は承諾の意思表示を行なってはならない。
(2)別紙契約条項目録記載の契約条項が記載された契約書の用紙を廃棄すること。
(3)当該事業者の従業員らが、上記の内容を記載した書面を配付すること。
2.差止の対象条項
当該事業者が定めている次の条項について差止を求めました
(1)約款変更権の定めに関する条項
「Xiサービス契約約款」及び「FOMAサービス契約約款」第2条
「(約款の変更)
第2条 当社は,この約款を変更することがあります。この場合には,料金及びその他の提供条件は,変更後の約款によります。」
【差止を求めた原因理由】
当該事業者が使用する無制限な約款変更権の定めは、利用者である一般消費者にとっては「消費者の権利を制限し、又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項」であり、消費者契約法第10条が適用され、無効である。
※上記(1)による消費者に不利益な約款変更の運用として、変更された条項
請求書の発行手数料を定める条項
「Xiサービス契約約款」第52条の2及び「FOMAサービス契約約款」第68条の2
「(請求書の発行に関する料金の支払義務)
サービスの利用に係る請求書等の発行を受けたときは,料金表第1表第7(請求書等の発行に関する料金)に規定する料金の支払いを要します。」
(料金表第1表第7において,請求書の発行に係る手数料として,1契約について1通ごとに100円(税抜き)と規定)
3.差止請求訴訟までの経過
(1)は、2015年7月3日に同日付で当該事業者に対し、携帯電話契約の請求書の発行手数料が有料に変更されたことについて、約款変更の範囲ないし限界が定められていない理由について「お問合せ」を書面送付しました。これに対し当該事業者から同月28日付で、「電気通信事業という技術・環境変化の大きいサービスの特質等を踏まえて、このような定めとしている」との回答が届きました。
(2)当会は、上記回答などをもとに更に検討し、当該事業者に対し2015年11月30日に、同日付の「申入書」と題する書面を送付し、本件に関係する条項の使用停止、もしくは適切な修正を求めました。
(3)上記2の「申入書」に対し、当該事業者から同年12月24日付で「現行の規定は、電気通信サービスを取り扱う事業者としましては、一般的な条項と考えております」と、変更しない旨の回答が届きました。
(4)当会は、当該事業者の対応に改善が見られないことから、2016年7月7日、同日付で消費者契約法第41条に定める書面、具体的には「差止請求書」と題する書面において、本件に関係する条項について使用停止、もしくは適切な条項に修正することを求めました。
(5)上記4について、当該事業者から当会に対し、同年8月2日付の書面で、当会が指摘した条項について見直す予定はない旨の回答がありました。
2015年11月30日付け「申入書」【PDF:185KB】
同年12月24日付け「回答」【PDF:108KB】
2016年7月7日付け「差止請求書」【PDF:270KB】
同年8月2日付け「回答」【PDF:74.4KB】
4.本件の当事者について
原告 |
特定非営利活動法人 |
埼玉消費者被害をなくす会 |
理事長 池本 誠司 |
さいたま市浦和区岸町7−11−5 |
原告訴訟代理人弁護士
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長田 淳 他8名 |
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さいたま市大宮区宮町2−28 あじせんビル4階・6階 |
埼玉中央法律事務所 |
被告
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株式会社NTTドコモ |
代表取締役 吉澤 和弘 |
東京都千代田区永田町2丁目11番1号 山王パークタワー |
5.問合せ
適格消費者団体 特定非営利活動法人 埼玉消費者被害をなくす会
電話 048−844−8972 担当:事務局長 岩岡
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