- 日時:
- 2017年12月5日(火)10時〜12時
- 会場:
- 浦和コミュニティセンター第13集会室
- 講師:
- 原田 由里さん (一社)ECネットワーク 理事
- 参加:
- 31人
【学習会の概要】
今やどこでも気軽にネットが利用できる環境で、利便性も向上、情報を瞬時に入手できます。一方、ネットは匿名性が高く世界中につながっているため、法律や規制に限界があり、被害に遭っても救済方法が限られます。ネット被害に遭わないためには、セキュリティ確保、情報や広告を選別できるセンスと、ネットリテラシー(使いこなす能力)を身につけることが必要です。ネットリテラシーが低いと、自分が騙されてしまうだけでなく、ウイルス感染や情報漏えいを起こすなど、迷惑をかけることになるので注意が必要です。ネットは世界基準で考えたほうがなじみやすい世界です。広告など、日本は「事前審査が厳しい」ですが、海外は「事前審査が緩い」ので、情報の内容、正確性などすべて自分で判断しなければいけません。情報管理意識を持ち、すぐに行動せず客観視して考える癖をつけることが大切です。
【ネット利用時の注意点(概要)】
- ネットショッピングで最も多く、深刻なトラブルは「商品未達」「連絡不能」そして「返品・返金」です(ネット以外の通販では「返品・返金」が多い)。特に事前に返品の条件や連絡先(電話番号のないサイトとは取引しない!)、支払方法などの確認を。支払方法が先払いのみの事業者は、自転車操業状態の可能性があります。
- 必ず「支払総額」の確認を。定期購入で複数回購入が条件だったり、送料や手数料がかかったりするケースも。また、取得した個人情報の取扱い内容も確認しましょう。
- 「返品・交換はいかなる場合も対応しません」など、消費者に著しく不当な条項は無効と判断されるので、見つけたら適格消費者団体などへ情報提供を。
- 詐欺サイトの被害も多発しています。「検索上位のサイトだから信用できる」は大間違い。日本語がおかしい、あまりにも割引率が高すぎるなどのサイトは詐欺サイトかも。
- 「電子マネー、プリペイドカードを購入し、番号を教えて」などは、詐欺なので、絶対に教えてはいけません。
- スマホは持ち歩くパソコンです。アプリは必ず公式マーケットから入手し、Androidは「アクセス許可」の内容確認を。中には情報の抜き取りを目的としたアプリもあります。
- ゲームアプリはアイテム課金制で、「ガチャ」と呼ばれるクジが有料で販売されていますが、強くなるアイテムが当たる確率は0.05%というものも。親の知らない間に子どもが課金していて高額の請求が来たなどのトラブルも。子どものインターネット接続機器の利用率は0歳児で3.1%、9歳児で89.9%(平成29年5月、内閣府)。親のリテラシ―をどうあげるかが重要。
- 企業などに提供した個人情報の漏えいは、残念ながらゼロにすることは不可能です。万が一漏えいが発生した場合、パスワードやクレジット番号を変更するなど、事後対処できる知恵をつけておく必要があります。
- ネットトラブルで一番多いのは、「アダルトサイトで動画を再生したら『登録完了』となり8万円が請求された」「請求画面がパソコンに張り付いで削除できない」などのトラブルです。絶対にメールや電話をせず、相談窓口や「188」に相談しましょう。
- ネットでの支払いは複数の手段がありますが、仮想通貨での投資話によるトラブルが増えています。さらに、サイトの信用度はカード決済も可否で判断してはいけません。使用履歴は必ず確認し、きちんと手元に保管しましょう。
- ネット上には、さまざまな広告が出ています。日本企業の広告だけではありません。ネット上の情報は決して鵜呑みにしてはいけません。
- 一見して広告だとはわからない広告もあります。「『PCが危険な状態』と警告表示が出たので提示されたセキュリティソフトを購入したが騙されたかも」などのトラブルも。
- 買取サイトのトラブルも増えています。査定額に納得できなくても「査定後すぐに振込・返却不可」との記載がある場合もあるので要注意。
【参加者の感想より一部抜粋】
- ネット社会に関してさらに学ぶ必要を感じました(ネットバンキングなど)。
- 何でも慌てないで、よく見てから判断することが大切ですね。
- 家族で情報を共有して便利にネットを使いたいです。
- 知らないことばかりでした。消費者も少しずつ知識を広げていかねば!と思いました。
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