明けましておめでとうございます。
埼玉消費者被害をなくす会は、不当表示や不当契約条項の差止請求活動に取り組むとともに、地域の消費者・消費者団体とともに地域の消費者被害防止の体制強化の活動に力を注いでいます。本年は、私たちの活動の幅をさらに広げましょう。
★差止請求活動
検討委員会が取り組んだ差止請求活動では、昨年1年間に、訴訟提起1件、41条書面(書面による事前の請求)の送付3件、申入れ7件、問合せ13件を行い、改善による終了が8件となりました。
無制限な約款変更条項について(株)NTTドコモに対する差止請求訴訟を提起したことは、約款変更条項に対する新たな問題提起となります。ほかに、1か月お試しのつもりが定期購入となるサイト業者に対し裁判外の差止請求により改善を実現するなど、同時並行で多数の事案を検討し事業者への申入れを重ねています。取扱い事案の増え過ぎをどのようにコントロールするかという課題も浮上しています。最近は、インターネット取引を巡るサイト業者の事案を複数取り上げています。都道府県は特定商取引法に基づく行政処分の効力が及ぶ範囲が限定されているのに対し、適格消費者団体は役割を発揮しやすい領域だと言えます。
★活動委員会の活動
活動委員会では、広告表示改善要望活動として要望書3件を送付し、3件とも改善される成果を上げました。
これと並行して、「消費者被害アンケート・めやすばこ」を実施し、本年も約1,000枚を回収し集計作業を進める活動、学習会の企画・実施・参加の活動など、意欲的に取り組んでいます。
★特定適格消費者団体を目指す
集団的被害回復制度を担う特定適格消費者団体の認定申請に向けた準備作業が大詰めを迎えています。人的体制と財政基盤の確保、業務規程の作成などはほぼ見通しがつきましたので、今年の早い時期に特定適格消費者団体の認定申請を行う予定です。
これによって、なくす会の社会的役割がさらに大きくなります。
★地域の消費者行政・消費者活動の拠点として
埼玉県から受託した消費者被害防止サポーター活動推進事業は、サポーター養成講座を県内10か所で開催し、以前からのサポーター登録者を含めて累計480名を超えました。高齢者等見守り促進事業は、県内の市町村における見守りネットワークの設置と活動促進に向けて働きかけを続けています。消費者安全確保地域協議会の設置自治体が埼玉県内に8市町あります。インターネット適正広告推進事業は、景品表示法啓発講座の受講生となくす会事務局員と担当弁護士によるインターネット上の虚偽誇大広告の監視活動を活発に継続しており、不当表示の判定に関するなくす会の専門性向上にもつながっています。
地方消費者行政に対する国の財政支援措置が不安定さを示している中で、国に対する支援継続の働きかけとともに、地方自治体に対する独自財源・人員の拡大に向けた働きかけにも力を注ぎたいと思います。
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