適格消費者団体
特定非営利活動法人 埼玉消費者被害をなくす会
埼玉消費者被害をなくす会(以下、当会という)は、消費者全体の利益擁護のために差止請求権を適切に行使することができる消費者団体として、内閣総理大臣の認定を受け、消費者契約法に基づく差止請求関係業務をおこなっています。
本日、2020年3月31日午前、「株式会社ROOKIES」(本社:大阪府吹田市、以下、当該事業者という)に対する差止請求訴訟をさいたま地方裁判所民事部に提起しました。
訴状はこちら【PDF:321KB】
1.差止請求の対象となった条項及びその理由
当該事業者が運営するポータルサイト「チケットプロモーション」のサービス利用契約には、消費者契約法第8条第1項第1号及び同条第3号、消費者契約法第9条第1号、消費者契約法第10条に違反する条項があり、該当する規約の使用差止を求めています。
差止の対象となった条項
第1条
5 ID及びパスワードに偽造・盗用・不正使用等の事故があった場合においても、弊社はかかる事由により生じた損害について、一切の責任を負わないものと致します。
※他、第20条第3項及び第5項も同様の免責条項であり差止の対象
本件サイトを利用した消費者(以下,「本件サイト利用者」という。)に何らかの損害が生じ,当該損害につき被告に帰責事由が認められる場合であっても一律に被告が本件サイト利用者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除する条項のため、消費者契約法第8条第1項第1号及び同条第3号に抵触する。
第4条
1-4送付状況の確認が取れない発送方法(普通郵便等)にてチケットを発送した際の発送事故による紛失 及び盗難等により、買い手の方へチケットが届かない際は、第11条2項に該当すると判断し送料込売価の全額をキャンセル料金として申し受けます
※他、第4条第1項第5号。第4条第2項、第6条第2項、第7条第2項、第11条第2項も同様のキャンセル料条項であり差止の対象
本件サイト利用者間の取引成立時において当該事業者が受け取るべき手数料は,売り手が負担する送料込売価の10パーセント又は800円のいずれか高い額(規約第4条第1項第1号)とされているが、本条項は、利用者に対してチケット等取引額と同額の違約金を課すことを定める内容と考えられる。よって通常受領する手数料を超える部分は,消費者契約法第9条第1号に抵触する。
また、消費者の解除の権利を著しく限定するものであり、信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものとして、消費者契約法第10条に抵触する。
2.差止請求の趣旨
(1) 当該事業者は消費者との間で、事業者が運営するポータルサイト「チケットプロモーション」のサービス利用契約を締結するに際し、契約条項目録記載の契約条項を含む契約の申込又は承諾の意思表示を行ってはならない。
(2) 当該事業者の従業員らに対し、上記の意思確認を行うための事務を行わないことを各指示すること。
3.差止請求訴訟までの経過
(1) 当会は、平成30(2018)年7月6日付で当該事業者に対し、「お問合せ」と題する書面を送付し、本件各条項が消費者契約法第8条、同法第9条及び同法第10条に抵触する旨を伝え、事業者の見解について問い合わせをした。しかしながら、「お問合せ」に対する返答を事業者から受けることはなかった。
(2) 当会は、平成30(2018)年11月30日付で当該事業者に対し、「申入書」と題する書面を送付し、事業者に対して本件各条項の使用停止を求めた。しかしながら、「申入書」に対する返答を事業者から受けることはなかった。
(3) 当会は、令和元(2019)年8月22日付で当該事業者に対し、消費者契約法第41条第1項に基づき、「差止請求書」を送付した。しかしながら、「差止請求書」に対する返答を事業者から受けることがなかった。
(4) 現在まで、事業者から全く返答がないことから、差止請求訴訟提起に至った。
2018.11.30「申入書」【PDF:213KB】
2019.8.22「差止請求書」(書面による事前の差止請求)【PDF:271KB】
4.本件の当事者について
原告 |
特定非営利活動法人 |
埼玉消費者被害をなくす会 |
埼玉県さいたま市浦和区岸町七丁目11番5号 |
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理事長 池本 誠司 |
原告訴訟代理人弁護士 |
月岡 朗 他4名 |
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埼玉県さいたま市浦和区岸町7−12−1 |
東和ビル4階 埼玉総合法律事務所(送達場所) |
被告 |
株式会社ROOKIES |
大阪府吹田市南金田一丁目8番20-401号 |
上記代表者代表取締役 |
飯森 謙太郎 |
5.問合せ
適格消費者団体 特定非営利活動法人 埼玉消費者被害をなくす会
電話 048-844-8972 担当:事務局 吉川、清水までお願いします。 |