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小塚荘一郎氏 |
2020年12月12日(土)10時より、浦和コミュニティセンター第15集会室及びオンライン(Zoom)にて、小塚荘一郎氏(学習院大学法学部教授)を講師に迎え学習会を開催、会場18名、オンライン21名、計39名が参加しました。
【概要】
◆AIと消費者
2020年7月の調査(消費者庁『消費者のデジタル化への対応に関する検討会AIワーキンググループ報告書』)では、AIによる音声認識・コミュニケーションツールを利用したことがあるのは約3割であったが、他のAI製品については利用したことがないとの回答は約8割だった。また、利用経験のある消費者は利用意欲があるという「二極化」の構造となっている。利用経験のない消費者の不安を取り除くこととも必要だが、利用経験のある消費者に正しくリスクを伝え、かしこく使うことが大切。AIとは、基本的には高度化した「検索システム」で、データに基づき「人間の前提を超えた関連性」を発見するも可能。
◆AI製品・サービスと現在の消費者法
AIと契約・・・スマートスピーカーが「テレビの音声を聞き取って発注してしまった」としても、契約は成立していない。
AIと製造物責任・・・ロボット掃除機が自動運転中に家具を壊す?AIというよりセンサーの問題の可能性もあるので、何が問題なのか落ち着いて考えることも大切。
AI家電のサイバーセキュリテイ・・・コンピューターウィルスの問題を解決するため、アップデートによるセキュリティ対策が必要。
◆AI製品・サービスに特有の問題
健康管理アプリなどで、AIが体脂肪率25%で判断していてもユーザーは15%を希望している場合など、AIがやろうとしていることと、消費者が求めることにズレがあるのが一番困ること。さらにアプリ提供者の意図が入っている可能性もある(広告への誘導など)が、法律は未整備。
AIに対する最大の不安要因はデータの取得。データ利用に同意しないとAI製品が使えないという問題がある。「AI製品を便利に使う」ことと「AIにデータを提供することの不安」のバランスだが、「提供されたデータをどのようにコントロールしているのか」を消費者が確認することも大切。
スマートフォン紛失時、携帯電話会社に連絡しても電話回線を止めるだけ。入れていたアプリは稼働しているので注意(特に支払サービス等)。
参考:消費者庁「AI利活用ハンドブック」
【参加者の感想より一部抜粋】
- AIについて知る初めての機会となった。AIと知らずに利用していることもあり、AIと人間が共存していけると良いと思った
- 今後のAI社会の法整備を期待します
- AIは急速に進化していくと思う。「AIと消費者」の観点で引き続き講座を計画していただきたい
- スマホがある生活が日常となり、何かあった時にどうするかという考え方が学べた
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