2022年8月26日 埼玉消費者被害をなくす会
2022年8月26日(金)10時より、オンライン(Zoom)にて、高橋 久仁子さん(群馬大学名誉教授)を講師に迎え学習会を開催、84名が参加しました。
マスメディアや宣伝広告に惑わされない食生活のためには「食べ物や栄養が、健康や病気に与える影響を過大に評価、信じること」から脱却する「脱フードファディズム」、商品のキャッチコピーやテレビ番組などの情報を鵜呑みにすることなく、栄養表示を読み、本当にその商品が広告に書かれている「○○に効くと思わせる効果」があるのかどうかを見極める「メディアリテラシーの育成」が重要と話されました。
【宣伝・広告文言は「保健効果」を暗示しているだけ】
- 花粉症に効くとは医薬品医療機器等法に違反するので書けないため「花粉が気になる方に」「飲めばすっきり!花粉の季節に」とキーワードを外した表現になっている。
- 「効果体験談」は、「効く」と「利用者」が言うのだと説明するが、架空の体験談もたくさんあることがわかっている。
- 販売する会社ではなく「○○研究会」を隠れ蓑にして宣伝する。
- 例えば、「30品目の野菜を使用」という野菜ジュースを飲んでも、ジュースではなく実際の野菜を食べた場合と比較すると、食物繊維も鉄分も20%しか摂取できないのに、糖質は94%も摂取することになる。
【参加者からの感想】(一部抜粋、概要)
- トクホの実際のデータを用いた解説は実態を如実に表しており、勉強になります。
- 「宣伝文言の行間を読まない」という言葉が印象的でした。
- 生徒たちは、「○○を食べれば健康になれる」とか「△△はやせる」とか、まさに、フードファディズム的な思考に染まっているように思います。そうではなくて、やはり健康でいるためには適度な食事と運動と休養が必要であることを、声を大にして授業で話していきたいと思います。
- 高額なサプリメントではなく食品でとる大切さを学習できました。
- 自分の体をつくる「食」を大切に、もっとシンプルに健康的な生活を送ることが大切だと改めて感じました。
- 「楽して、健康に」の気持ちから、企業の広告をうのみにして複数のサプリメントを飲む生活でした。食生活を改善しようと思います。
- 耳が痛すぎました。わかっていたものの、見ないようにしていた「現実」。それを、「魔法のような商品(食品)」で、なるべく帳消しにできたらいいな、という消費者の心理につけこんだ手法であると改めて痛感しました。
- 若い人、特に一人暮らしをしている人たちに聞いてほしい内容でした。
- 小さな効果を過大に(強調し)期待させるサプリメントの話は、大変興味深かった。
- 疑心暗鬼ながらも、体に良いのかなと、少し高くても選んでいました。サプリ、飲料ことごとく当てはまりました。これからは賢く選ぼうと思いました。
- 特定保健用食品について試験内容の分析や広告表示の欺瞞など解説を頂き感謝です。
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