2023年2月11日 埼玉消費者被害をなくす会
2023年2月11日(土・祝)10時より、オンライン(Zoom)にて、 松苗弘幸さん(弁護士)、山下則子さん(消費生活相談員)を講師に迎え学習会を開催、51名が参加しました。まず、山下相談員より訪問販売、インターネット通販、連鎖販売取引についてのトラブル事例と、それぞれの問題点及び被害に遭わないための注意点についてお話いただきました。その後、松苗弁護士より被害防止のために「Do not knock、Do not callの制度実現」「通販での表示規制とクーリング・オフ制度の導入」「後だしマルチ対策」などの実現が大切であるとお話いただきました。「改正の論議には、当事者である消費者の関わりが大切。前回の見直しの時のパブリックコメントでは『Do not knock、Do not call』に対する賛成意見は545件、反対意見は39,428件だった。採用されなかったのは、事業者が組織的に反対意見を出したからだけではない。消費者側の後押しがあれば、違った結果になった可能性もある。消費者自らが自分の問題として関心を持ち、ぜひ行動していただきたい」と話されました。
【特定商取引法は何のための法律?】
8つの「消費者と事業者との取引」について、消費者を守るために規制している法律。消費生活相談件数のうち、55%が特定商取引法に関すること。トラブルの内容には、不意打ち型(訪問販売、訪問購入、電話勧誘販売)非対面型(通信販売)その他(連鎖販売など)がある。昭和51年の「訪問販売などに関する法律」としての制定から、被害実情に応じ、改正が繰り返されてきた。平成28年改正の5年後見直し規定に基づいた論議が始まっている。
【改正の実現に向けて〜今回の改正で求められること(一部概要)】
① 訪問販売・電話勧誘販売について
65歳以上の高齢者相談が圧倒的に多い。消費者があらかじめ勧誘を拒絶する権利〜訪問販売お断りの張り紙「Do Not Knock」、すでに多数の国で導入されている消費者があらかじめ電話勧誘販売を拒絶できる登録制度「Do Not Call」の導入を求める。
② ネット通販
- 2020年のコロナ禍を背景に増加したネット通販に関する相談割合、定期購入の相談件数は高止まりの状況。また、ネット上のターゲティング広告による誘引は、まさに「勧誘」そのものであり、クーリング・オフができるような法規制が求められる。
- マルチ相談の45%が10歳代・20歳代の若年層である。購入契約をさせてから「人を勧誘すると利益がもらえると告げる」後だしマルチ被害が多発している。国による登録制度や、マルチ取引の利益に関する説明義務などが求められる。特に後だしマルチは連鎖販売取引として規制されることを条文上明確化することを求める。
【参加者からの感想】(一部抜粋、概要)
- 業者の言いなりにならないよう、消費者の権利をしっかり知っていこうと思いました。
- すべての年代に発信してほしい内容。少しでも地域で話題にし、伝えます。
- 法改正に向けて消費者として問題意識を持った方が良いことあらためて感じました。
- Do not knock、Do not callの制度が実現すると良いと思う。パブリックコメントについて詳しく知らずにいた。サイトがあることも知らなかった。
- マルチ商法に巻き込まれて被害者から加害者になってしまうことを聞き、悲しい現実を目の当たりにしました。
- 疑いから入るのは悲しいですが、世のなか甘い話はない!ことを頭において生活していきたいです。
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