適格消費者団体/特定非営利活動法人
埼玉消費者被害をなくす会 理事長 池本誠司
私たち埼玉消費者被害をなくす会は、地域の消費者被害を防止するため、事業者の違法な営業活動(不当表示、不当契約条項、不当勧誘等)を法的に差止請求できる適格消費者団体として、問題事案の情報収集・調査検討・改善申入れなどの活動を展開しています。消費者被害の防止は都道府県や市町村の消費者行政の役割でもあるので、私たちは地方自治体の消費者行政と連携して効果的に活動することを心がけています。当会は、現在、埼玉県から消費者被害防止に係る3つの事業を受託して取り組んでいます。
第1に、2016年度から受託した「消費者被害防止サポーター活動推進事業」です。埼玉県は、地域社会で消費者問題を学び積極的に活動しようという意欲のあるボランティアの消費者被害防止サポーターを育成し、地元の消費生活センターと連携して地域の消費者被害防止の活動に参加してもらうサポーター養成制度を2009年度から始め、2015年度までに255名のサポーターが登録していました。当会が受託したサポーター活動推進事業は、県内各地でサポーター養成講座を実施するほか、これまでに登録されたサポーターの皆さんを含めて、地域社会で実際に活動できるだけの知識と行動力を身に着けてもらうため、フォローアップ研修やサポーター交流会を継続的に設定しています。
第2に、2016年度後半から受託した「高齢者等見守り推進事業」です。市町村の消費生活センターは、これまでも独自の消費者向け啓発活動や高齢者福祉部門の「高齢者見守りネットワーク」関係者への情報提供活動に取り組んでいますが、こうした取り組みをさらに充実するため、当会に「推進員」5名を配置して、「消費者被害防止サポーター」が地元の消費生活センターの啓発活動に参加できるようコーディネートしたり、高齢者福祉部門と消費者行政部門の関係者を交えた「消費者安全確保地域協議会」の設置を促すなど、市町村への働きかけを進めています。
第3に、2017年度から受託した「インターネット適正広告推進事業」です。インターネット上に次々と現れるサイト業者の虚偽誇大広告を巡るトラブルは、現代の消費者被害の中でも大きな割合を占めていますが、これを防止するためには、消費者自身が不当な広告表示を見極める眼を養うことと、消費者の眼で虚偽誇大広告を絶えず監視し迅速に是正を求める活動が必要です。そこで、当会は、景品表示法に詳しい弁護士4名を配置して、消費者向けの景品表示法啓発講座を県内数カ所で開催するとともに、その受講者にもボランティアの調査員となってもらい、消費者の眼と専門家の眼でサイトの広告表示を常時チェックし、不当表示の疑いがある問題事案を集約して埼玉県の景品表示法担当部署に情報提供するという活動を展開しています。
地域の消費者の知識と行動力を高めることと、地元の消費者行政との連携を広げることを結びつけて推進することが、当会の目指すところです。皆さんの参加を呼び掛けます。
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