これまで国民生活センターは、消費者相談業務、消費者への情報提供、地方の消費者センター等への相談支援、相談員の研修、商品テストなどを実施する機関として役割を果たしてきた。いち早く消費者と向き合い、最新の消費者被害等の情報を得、解決に向けた対応を行ってきており、地方消費者行政への支援という役割も大きい。もちろん、これまでの国民生活センターの機能は決して十分とは言えないが、より迅速な情報提供や地方支援機能を果たすことが求められる。
中間整理では、国民生活センターの情報提供業務と商品テスト業務の一部を消費者庁に移管することを前提に一元化を図ることになっている。消費者行政全体の機能強化の為の検討が求められており、消費者庁・消費者委員会、国民生活センターの組織・機能・体制をトータルで見直すことが必要と考える。
(1)該当箇所
5ページ(3)(4)、7ページ7行目
「国センの各機能の相互補完性・一体性の確保」を認めているが、支援相談、研修、相談処理テスト等を「施設等機関」として位置付けている。
情報提供と商品群テストは内部部局とし、ADRも施設等機関から分離する方針であり、機能の一体性確保が不完全である。
国センは相談業務を基盤として、研修、商品テスト、情報提供、ADRなどの機能を一体的組織として高度専門的な業務を実施している。「施設等機関」を設けるのであれば、これらの機能を一体的に持ち合わせる機関とすべき。
そのような機関にならないのであれば、「施設等機関」ではなく業務の一体性と独立性を確保できる新しい法人等を検討するべき。
5ページ〜7ページ
相談、研修、情報提供、テスト等の業務は、法執行部門の厳格な解釈にこだわらず、被害実態に即して柔軟な対応が必要。そのためには新組織が消費者庁から業務の独立性を確保されることが重要。
相談、研修、情報提供等の業務が法執行部門から独立性・柔軟性を確保することを、「施設等機関」設置の法律に明記すべき。
7ページ
国センの情報分析・提供業務を消費者庁の内部部局に一元化すると、消費者庁は法律の適用や関係省庁の連絡調整・司令塔役として検討しながら注意喚起を行うため、国センが行う被害実態に即した機動的な情報提供に比べ、今よりも遅くなることが懸念される。国センの情報提供業務は存続すべきである。
庁と国センの情報提供業務が重複しているという意見があるが、司令塔役の消費者庁と被害実態に基づく国センは役割が異なるのだから、併存的に情報提供業務を実施することが望ましい。
10ページ
国センが消費者から直接相談を受けて、事業者との間のあっせん処理を行うことは、地方への相談支援を行う上で不可欠である。国センの直接相談業務を復活して消費者被害の実態を踏まえた業務運営を推進すべきである。
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