2011年12月27日
消費者庁消費者制度課 御中
集団的消費者被害回復に係る訴訟制度の骨子についての意見
特定非営利活動法人
埼玉消費者被害をなくす会
理事長 池本 誠司
1.(対象)全体について
(意見の内容)
集団的消費者被害回復訴訟制度は、個別訴訟による被害回復が困難であった消費者に被害救済の道を開く有益な制度であり、同制度が来年の通常国会において立法化されることを求めます。
2.(対象)特定適格消費者団体
(意見の内容)
集団的被害救済制度の担い手として適格消費者団体が行うことは賛成ですが、「被害救済関係業務を適正に遂行するに足りる経理的基礎・人的体制」の要件が過大なものとならないよう、実態を踏まえた認定要件とすべきです。
差止関係業務は全体として収益性のない業務であり、被害救済業務も第一段階は収益性のない業務であることに照らせば、消費者被害の防止・救済を担う公益性を考慮して国は相当額の財政支援を行うべきです。
3.(対象)一段階目の手続
(意見の内容)
骨子に記載された対象事案は、消費者契約の取消・解除・不履行などに関する紛争とされており、これでは個人情報流出事故による個人の損害賠償請求事案や、有価証券報告書虚偽記載による株主の損害賠償請求事案が、本制度の適用対象とならないと思われます。しかし、多数被害が発生し争点が共通であって本制度の対象になじむ事案であるから、これも適用対象事案に加えるべきです。今回対象と出来なくても、引き続き検討がされることを担保できるような内容を付け加えることを求めます。
4.(対象)一段階目の手続
(意見の内容)
骨子に記載された対象事案について、「契約を締結する場面に関する虚偽又は誇大な広告・表示に関するもの」が削除されています。この点は、消費者委員会「集団的消費者被害救済制度専門調査会」報告書で示された内容よりも後退する内容となっており、対象事案に追加することを求めます。
5.(対象)二段階目の手続
(意見の内容)
多くの消費者が第二段階目の被害申し出ができるように効果的な通知・広告を実施するため、通知・広告費用は第一段階訴訟で敗訴した被告事業者に負担させることを求めます。
☆埼玉消費者被害をなくす会の提出した意見のPDFはこちら (PDF 124 KB)