明けましておめでとうございます。
私たちは、地域の消費者の活動に根差して消費者被害防止に取り組むことを、設立当初から団体の理念としてきました。昨年のなくす会は、この側面の活動が大きく広がった1年でした。
●消費者被害防止サポーターの活動推進
埼玉県が過去7年間に255名の消費者被害防止サポーターを育成してきた実績を引き継いで、サポーター活動推進事業を受託しました。サポーターの養成に終わることなく、サポーターフォローアップ講座を2か所(8日)実施、サポーターの活動交流会を5カ所で開催し、地域で活動できる消費者の養成を目指します。さらに、養成したサポーターが地域で消費者被害防止の活動を展開できるように、市町村の消費生活センターがサポーターを活用して活動の場を提供することや、市町村が「消費者安全確保地域協議会」を設置して消費者被害防止の地域ネットワークを構築することを働きかける、「推進員」4名を配置する事業も受託し、埼玉県内の消費者行政全体の充実に向けた活動に力を注ぎました。今年は、地域で活動できるサポーターの育成と地域協議会の設置推進を、なくす会所属の弁護士、司法書士、消費生活相談員にとどまらず多くの専門家の協力を得て、一層幅広く展開します。
●活動委員会の取組
消費者を中心とした活動委員会も、生活を取り巻く最新の課題に取り組んでいます。昨年は、クレジットカードの情報漏えい・不正利用防止のためのセキュリティ問題を学習し、販売業者向けアンケートを実施したほか、地域の消費者向けアンケートを約1000通回収しました。これらの成果を取りまとめ、地域の消費者に還元することまでが、年間の活動計画です。
インターネット広告の不当表示のチェック活動も継続的に取り組んでいますが、次年度は多数の調査員を募集して不当表示の学習とチェック活動を大規模に実施することを計画しています。
●検討委員会の差止業務の拡充
専門委員による検討委員会の活動も、複数の問題事案を同時並行で取り組んでいます。昨年は、消費者契約法41条書面の送付が2件、申入書の送付が9件、問合せ書面の送付が10件でした。検討委員会の調査・分析活動が多数の事案に上るようになったため、10月から検討委員会を2班体制にしました。今年は、さらに幅広く問題事案を取り上げることができます。
なくす会からの申入れに対して、事業者が自主的に改善することが多く、訴訟提起に至らずに解決できるケースが続いています。しかし、十分な対応がないケースも見受けられるため、近く訴訟提起を検討するケースもあります。
集団的被害回復制度を担う特定適格消費者団体の認定に向けた組織体制の拡充と事案のシミュレーションも着実に進めています。
今年のなくす会は、さらに活動の幅を広げて行きます。
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