埼玉消費者被害をなくす会主催 2024年度消費者力アップ学習会Vol.2開催報告
知らないとこわい!副業・投資トラブル~儲け話に潜むワナを事例から学ぶ~
2024年12月21日 埼玉消費者被害をなくす会
2024年12月21日(土)、埼玉会館3C会議室およびオンライン(Zoom)にて、鎌田 伊津子さん(消費生活相談員)を講師に迎えて学習会を開催し、会場17人、オンライン33人、あわせて50人が参加しました。
副業や投資トラブルは、入口は身近な広告でも、被害が多額になることから、被害に遭わないために「事例を知り、ワナに気づく」ことが大切です。「貯蓄から投資へ」の流れの中、消費者は金融リテラシー(知識・理解・活用能力)を身に着ける必要があります。「絶対に儲かる」副業や投資はありません。
投資トラブルのワナ
「マッチングアプリで知り合った人とLINEを交換しやり取りを始めた。FX取引を勧められ210万円を投資したが、出金できず連絡も途絶えた」などのトラブルは、SNS、ウェブ検索、マッチングアプリなど入口はいろいろですが、共通するのは、電話やzoom等で個別に直接やり取りをする中で勧誘を受けるということ。最初は利益が出ると思い込ませ、さらに高額を入金するとその後は引き出せず、連絡が取れなくなり詐欺にあったことに気づきます。2024年1月から5月に発生したSNS型投資詐欺は3,049件あり、きっかけとなったツールはTikTokやInstagram、LINE、FacebookなどのSNSで、実際に被害につながる連絡ツールは92%がLINEでした。
ワナ①
SNSの広告、ウェブ検索等からLINEの友だち登録
ワナ②
FX取引等で海外の無登録業者に口座を開設、しかし偽の口座の場合あり
ワナ③
国内の暗号資産交換所から、海外の交換所等に暗号資産を移すよう指示を受ける
投資トラブルに遭わないために
- お金は登録業者以外には決して預けない(金融庁:金融商品取引業者)
- 個人名義の口座には絶対に振り込まない
- 相手の情報を鵜呑みにせず、自分で理解するまで調べる。よくわからない取引はしない。
- 資産運用はリスクがつきもの。「広告→LINEの流れ」での契約は絶対にしない。
副業トラブルのワナ
「子育てしながらできる簡単な作業(タスク)で稼げるとの触れ込みを信じて申し込んだ。ミスをした処理費用と言われ結果的に15万円振り込んでしまった」「副業の高額サポート契約を勧誘された。お金がないと断ると遠隔操作アプリを通じて借金の仕方を指南され、100万円借金し、個人名義の口座に振り込んだが儲からずに借金だけが残った」などのトラブルがあります。
ワナ④
簡単な作業で高収入、スキマ時間に手軽に稼げる
ワナ⑤
遠隔操作アプリをインストールさせられ、「みんなやっている」「月1万円なら余裕で返せる」などと短時間で複数の消費者金融から借金をさせられる
ワナ⑥
遠隔操作で画面が共有されたまま、ネットバンクの口座を新たに開設させられ、消費者金融から入金された金額を勝手に引き出されることもある
副業トラブルに遭わないために
- お金を稼ぐつもりで申し込んだ後に借金を指南されても、絶対に借金はしない
- 仕事をするためであってもLINEなどで身分証などの写真は送らない
【参加者からの感想】(一部抜粋、概要)
- 年齢に問わず、様々な形で副業・投資のトラブルに巻き込まれることが多く、決して他人事ではなく注意しなくてはいけないと思いました。
- 儲け話に潜む“ワナ”を知れたことで、さらに注意深く広告などを見られることがよかった。また、字面にすると単純な落とし穴だと感じるところだが、なぜそのような場面で陥ってしまう消費者心理を深く理解したいと思った。