埼玉消費者被害をなくす会主催 2024年度消費者力アップ学習会Vol.3開催報告

今から学ぶシニアのためのイマドキのお金とくらし「金融教育」

2025年3月18日 埼玉消費者被害をなくす会

 2025年3月18日(火)、埼玉会館3C会議室およびオンライン(Zoom)にて、関口 直樹さん(中央労働金庫さいたま支店)を講師に迎え学習会を開催し、会場23人オンライン35人あわせて58人が参加しました。

 人生には大きなお金を必要とする「教育資金」「住宅資金」「老後資金」などのライフイベントがあり、シニア世代には住宅のメンテナンスや老後資金が該当します。老後生活に必要な費用を考えた時、公的年金だけでは不足する可能性があるため、公的年金に加え、退職金や自助努力の「3階建て」で備えましょう。

ライフプランって何?

 退職後にいくら必要か、何にお金がかかるのか、考えてみたことはありますか?将来の夢や希望を叶えるために、自分や家族のおおまかな生活設計・収支予測を計画することをライフプランといいます。公的年金受給者である高齢者世代を支える世代の比率はどんどん減少しており、2020年は高齢者1人を2.1人で支えていますが、2030年は1人を1.8人で支えることになります。現状、毎月の収入がいくらくらいあって、何にどのくらい支出しているのか、また、一時的な収入や支出を書き出すことから始めましょう。

将来のお金のための資産運用

 資産運用とは一般的に中長期的な視野にたって、リスクを抑えながら資産の成長をめざす(守り育てる)ことを意味します。金融商品を考える時は①当面の生活に必要なお金(普通預金などいつでも出されるもの=換金性)②使い道の決まっているお金(財形貯蓄、積立預金、個人向け国債など、元本が確保されているもの=安全性)③当面使う予定のないお金(投資信託など長期で運用できるお金=収益性)から、自分に合ったものを選びましょう。資産運用のコツは①長期投資(運用する時間でリスクを平均化)②積立投資(上下する毎回の購入価格を平均化)③分散投資(複数の商品でリスクを分けて平均化)です。

 投資信託(NISAやiDeCoもこのうちの制度です)は、少額から分散投資でき、専門家に運用をまかせられますが、元本保証はありません。投資対象とする資産(株式、債券、不動産、金など)、投資対象となる国や地域(国内、国外)、運用手法(リターンのリスク)、手数料などのコスト(商品ごとに手数料は異なるため、注意が必要)を確認しましょう。資産運用を行う時にはリスクを知っておくことも大切です。株価変動、信用、為替変動、金利変動、流動性、カントリーのうち、知っているリスクはいくつありますか?現役世代はリスクを取って投資信託などを積極運用することもできますが、シニア世代はリスクを抑えて安定運用ができる預金商品へと変化させ、それぞれの商品の特徴を知って、かしこく積立、しっかり貯めましょう。

 投資詐欺が問題になっています。「投資用のマンション買いませんか?老後の私的年金にもなり、節税にもなります」など、少しでも収入を増やしたいと思う心理に付け込む副業・投資詐欺を行う悪質業者も存在するので注意しましょう。「楽してもうかる」甘い話は世の中にはありません(一般社団法人全国労働者金庫協会 発行「マネートラブルにかつ!」より)

参加者からの感想(一部抜粋、概要)

  • 老後に向けていろいろ考えるきっかけになりました。
  • 資産運用の賢いやり方が判った。ただ、年を取りすぎていると感じた。
  • 今までよくわかっていなかった投資信託の言葉や仕組みについて知ることができました。
  • 収入と支出の管理を見直す機会になりました。
  • 保険料、光熱費などすぐに見直しします。NISAなどのリスクを知れて良かった。