適格消費者団体・特定非営利活動法人埼玉消費者被害をなくす会(※1)は、2010年4月7日、呉服小売専門店「きものファッションすぎやま」を運営する杉山株式会社(本社:埼玉県羽生市)に対し、「着物レンタル契約時のキャンセルに関する条項の使用差止め」を求め、消費者契約法41条1項(※2)に基づく事前請求書として「差止請求書兼申入書」を送付しました。当会は、今年2月3日に同社に対し、2週間の回答期限付きで改善・削除を申入れました。期限を過ぎても同社からは回答が無く、3月末過ぎても回答が無いことから、今回の申入れとなったものです。以下経過と申入れ理由、差止請求書兼申入書を公表いたします。
<経過から差止請求書兼申入書送付まで>
- 2009年11月、杉山株式会社(以下、すぎやま)で成人式の着物をレンタル契約した消費者から当会に情報提供がありました。
- 当会で情報提供のあったレンタル規約や被害の状況等を調査・検討した結果、すぎやまが使用するレンタル規約のキャンセル料に関する条項に不当な部分があると判断しました。
- 2010年2月3日、不当条項に対して改善及び削除を求める申入れを行いました。
申入れの内容↓
以下条項は、事業者に生じる平均的損害を超えているのとして、消費者契約法第9条1項1号、および消費者の利益を一方的に害するものとして、消費者契約法第10条に該当し無効。よって使用停止、もしくは適切な条項に修正することを求める。
(1) |
規約「I.レンタル料金」 |
5.オーダーレンタルにつきましてはご契約後のキャンセルには応じられません。 |
(2) |
規約「II.キャンセル料」 |
ご契約後キャンセルの場合は下記条件のキャンセル料を申し受けます。 |
|
契約日より |
|
1週間以内の場合・・・契約金額の30% |
1カ月以内の場合・・・契約金額の60% |
2カ月以内の場合・・・契約金額の80% |
2か月以上の場合・・・契約金額全額 |
|
|
回答の期限を書面到着後2週間以内としましたが、すぎやまからは何ら回答がありませんでした。
-
2010年2月末から3月末の間、当会からの電話による問合せに対し、電話(口頭)で「規約は直そうと思っている」との対応はありましたが、書面での回答もなく、改善の事実の確認はできませんでした。
- 2010年4月7日、着物レンタル契約時のキャンセルに関する条項の使用差止めを求め、消費者契約法41条1項(※2)に基づく事前請求書として「差止請求書兼申入書」を送付しました。
☆送付した「差止請求書兼申入書」はこちら(PDF 226 KB)
(※1)埼玉消費者被害をなくす会は2009年3月5日、消費者契約法に定める適格消費者団体として内閣総理大臣から認定を受けています。適格消費者団体は事業者の消費者契約法・景品表示法・特定商取引法に違反する行為に対し、差止請求をする権利(消費者団体訴訟制度)があります。
⇒本部:さいたま市浦和区、池本誠司理事長
(※2)消費者契約法41条1項(書面による事前の請求)
適格消費者団体は、差止請求に係る訴えを提起しようとするときは、その訴えの被告となるべき事業者等に対し、あらかじめ、請求の要旨及び紛争の要点その他の内閣府令で定める事項を記載した書面により差止請求をし、かつ、その到達した時から1週間を経過した後でなければ、その訴えを提起することができない。ただし、当該事業者がその差止請求を拒んだときは、この限りでない。
<問い合わせ先>
適格消費者団体・特定非営利活動法人 埼玉消費者被害をなくす会 電話:048−844−8971 |