内閣総理大臣認定:適格消費者団体 特定適格消費者団体 特定非営利活動法人 埼玉消費者被害をなくす会
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埼玉消費者被害をなくす会は消費者契約法の不当条項の疑義で
ソフトバンクモバイル株式会社に申し入れをしました
―ソフトバンクモバイル株式会社との協議報告―
 

ソフトバンクから「約款等の変更条項について」以下の回答がありました。

「料金その他の提供条件は変更後の約款によります」は継続使用するが、「変更内容や変更方法には十分留意し、契約者の不利益が過大にならないように常に努める」

 埼玉消費者被害をなくす会(さいたま市浦和区、以下なくす会)は、この間、ソフトバンクモバイル株式会社(本社:港区新橋、以下、ソフトバンク)に「消費者契約法の不当条項の疑義」で申入れを行ってきました。ここに経過と内容を公表します。

 なくす会では、ソフトバンクの携帯電話契約者からの「契約条項の一方的な変更」に関する情報提供をきっかけに、2007年から消費者対象にアンケート調査および販売店調査などを行う一方、内容についての検討を重ねてきました。2008年8月より、「約款変更条項に限らず、消費者の利益を害する恐れのある契約内容やサービス提供方法について」、同社に懇談や問い合わせ・申し入れを6回にわたり行ってきました。2010年2月3日には、これまでの協議の中で当会が要望してきた、「約款や規約の変更、承認の条項が消費者契約法において不当条項と考えられる可能性があるため条項の改善」について再度申入れを行いました。

 ソフトバンクからの回答は、「約款変更の条項は合理性がある」という旨の主張を維持したままで、当会が指摘する「消費者に大きな損失が生じる場合やそれまでの広告において有利性を強調していた条項を変更する場合など、消費者に著しい不利益を及ぼす場合についてまで、無限定に本条項が適用される恐れがある点で不当条項に当たる恐れがある」という点については、結局、今日まで具体的な説明が得られませんでした。ただし、「変更内容や変更方法には十分留意し、契約者の不利益が過大にならないように常に努める」として、運用面で配慮する旨の回答がありました。

 なくす会では、ソフトバンクからの回答および協議の経過と現段階の到達点を公表し、今後も消費者からの苦情の状況とソフトバンクの対応状況を注視し続けることとします。

【当会が問題としている点】

 現状の約款および「ご利用にあたっての注意事項」の「サービス条件の変更について」や「あんしん保証パック会員規約」をはじめとするサービス規約において、「規約変更、承認」の条項に、

 「当社は、この約款を変更することがあります。この場合には、料金その他の提供条件は、変更後の約款によります。」

 との条項が無限定に定められている。この条項は消費者契約法10条()に違反し多数の消費者の利益を害する恐れがあると考えられるため、現状のままで使用することを差し控えるように申し入れを行いました。

(※)消費者契約法10条(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)民法、商法その他の法律の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比し、消費者の権利を制し、又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする

【申入れの理由とソフトバンクの回答】

●なくす会の問題指摘は次のとおり。

 多数の顧客に定型的なサービスを提供する「携帯電話利用サービス」において、契約条件を定型的に処理する必要性と合理性は認められることから、

(1)顧客にとって変更の内容が有利となる場合
(2)技術の進歩等により合理的で消費者の不利益が軽微である場合

 等においては十分な周知期間をおいて、契約条件を変更することは許されると考える。

 しかし、今回問題としている契約条件は、過去に無料修理の補償範囲を利用者に充分な周知をせず変更を行ったという点であり、これについては消費者に著しい不利益をおよぼす約款変更が行われたものと考えられるのではないか。

また、他の契約内容においても、消費者からの情報提供で、消費者に対するサービスの内容の十分な説明がなされていないため起こったと思われるトラブル情報も得ている。

●こうした問題指摘に対するソフトバンクの回答は以下のとおり。

  • 約款ではなく、「スーパー安心パック会員規約」だから、不当条項には該当しない。
  • 無料修理の保証範囲を変更したのは、無料修理サービスを濫用する事例が激増し、そのような濫用行為を防止する必要性が生じたためである。

 というものだった。(2009年9月回答より抜粋)

●この回答を受けて、当会では再度申し入れ(2010年2月)を行った。その要点は以下のとおり。

  • 規約変更によって消費者に大きな損失が生じる場合やそれまでの広告において有利性を強調していた条項を変更する場合など、消費者に著しい不利益を及ぼす場合については、十分な周知期間をとりさえすれば消費者の承諾が不要であるという解釈を許容するような条項は、消費者契約法に違反し、無効と考える。
  • 激増したとされる濫用する事例とはどのようなものか、件数はどの程度増加したのか、修理希望の内容が「濫用」といえるものなのか、回答からは読み取れない。
  • 濫用ではなく、純粋に貴社のサービスをよいものと思い加入していた顧客が必要な修理を希望した際に、契約時の宣伝文句に反し予想外の費用負担を強いられることとなる規約変更を、十分な通知なく変更した場合には、消費者に著しい不利益を及ぼす変更ではないかと思われる。

●この申入れに対するソフトバンクの回答要旨は以下のとおり。

  • 事業の性質上、約款の変更について定める条項は、携帯電話サービス事業を継続する上で必要かつ合理的なものである。なぜなら、関連技術の進歩及びそれに伴うお客様のニーズの変化等に迅速に対応することが求められているから。
  • また、限られたインフラを多数の利用者が共同で利用するという携帯電話サービス事業の特性に鑑みると、ある程度画一的な契約内容の設定・変更が不可欠と言える。
    以上の理由から、申し入れには応じることができない。
  • ただし、変更内容や変更方法には十分留意し契約者の不利益が過大にならないように常に努める。

 以上のような経過で、ソフトバンクからの回答は当会の問題指摘を具体的に受け止めたものとは評価できませんが、運用面で配慮する旨の回答があることを考慮し、これまでの協議の経過と現段階の到達点を公表し、今後も消費者からの苦情の状況とソフトバンクの対応状況を注視し続けることとしました。

【この間の経過】(2007年10月〜2010年3月30日)

時期 概要 回答・問合せ・申入れ・連絡などの詳細は添付PDFを参照ください
2007/10 ソフトバンクモバイル株式会社の携帯電話契約者から情報提供
2007/11〜 活動委員会で、アンケート調査を行う⇒157枚回収
2008/4 活動委員会による販売店調査
2008/8/21 問合わせ
(1) 水濡れ事故について
(2) 契約内容に関するトラブルについて
パケット料金の規定
中途解約の際の解約料等
保証サービスの内容
利用者の同意なく変更される可能性のあるサービス
契約者が希望しないことを申し出ない限りついてくる有償サービス
番号ポータブルを利用した際に、携帯電話の通信以外の機能も使用できなくなる機種が存在する件
2008/9/25 回答
2008/10/17 再問合わせ
(1) 水濡れ事故について
(2) 契約内容に関するトラブルについて
I. パケット定額サービスについて
サービス解約時のトラブルについて
パケット高額のトラブルについて
トラブル対応の窓口について
トラブルの具体的対応について
パケットの利用先明細開示について
II. 利用者の同意なく変更する可能性のあるサービスについて
III. 番号ポータビリティ利用時のトラブルについて
IV. 契約締結時、付加サービスの現状とトラブルについて
2008/10/27 直接回答 (ソフトバンク・当会検討委員と意見交換)
2009/4/15 申し入れ
(1) 約款変更の改善
(2) パケット料金の仕組みの改善
(3) トラブル対応窓口のワンストップサービス化
(4) 適合性の原則を考慮したサービス提供への改善
(5) 番号ポータビリティの端末対応について
【申入れ: PDF(1)185KB】
2009/5/18 【回答:PDF(2)123KB】
2009/10/5 回答書に関して問合わせ
(1) 消費者にとっての不利益変更も当該約款で変更可能と解釈されるのか。
(2) 過去の約款変更事例、「無料修理の保証範囲(有料保証)に外装部分を含めていたのにこれらを含めないように変更する」等も変更が可能と考えているのか
【問合せ:PDF(3)71KB)】
2009/10/30 【回答:PDF(4)81KB】
2010/2/3 申し入れ 約款変更条項が無限定に定められている点は、消費者契約法10条に違反し多数の消費者の利益を害する恐れがあると考えられるため、現状のままの使用を差し控えるよう申し入れ
【申入れ: PDF(5)148KB】
2010/2/25 【回答:PDF(6)82KB】
2010/3/30 【連絡:PDF(7)64KB】

<問い合わせ先>

適格消費者団体・NPO埼玉消費者被害をなくす会
事務局 電話:048−844−8971

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